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薬剤師の転職動機で多いもの

薬剤師の職場は、主に「病院」と「調剤薬局」と「ドラッグストア」です。

一般的な会社員に比べて、薬剤師免許が必要な職種でもあることから、給与や待遇面では恵まれていると思われがちです。

薬剤師の給与に関しては「薬剤師のお給料の相場」を参照。

しかし転職者は非常に多く、毎年多くの薬剤師が新たな職場を求めて転職会社を訪れます。

その理由には、薬剤師に特徴的な退職理由や、薬剤師固有の職場環境もあり、一般的な会社員とは多少異なるようです。

 

転職理由:職場への不満

最も多い理由は、やはり職場への不満のようです。人間関係や待遇面の不満も含めて、職場への不満を抱える方は大変多くいます。

  • 勤務時間が長い、不定期(早番、遅番)
  • 残業(サービス残業)が多い
  • 給与・賞与が少ない
  • 通勤場所が遠い

しかし、その状況は一般的な会社員とは異なる以下の環境があります。

  • 薬局(特に調剤薬局)の狭い人間関係
    調剤薬局は小さいところは薬剤師2-3人、調剤助手やその他スタッフを含めても5-6人という薬局も多くあります。また、ドラッグストアや病院薬剤部でも、多少のチェーン展開や大きさはあれども、大企業ほどの規模はないため、狭い人間関係で悩む方が多いようです。
  • 免許(国家資格)を保有しているため、一か所の職場に固執しない。
    近年は終身雇用制は無くなってきているものの、不況や派遣雇用の増加もあって、一般会社員にとっては再就職への不安や新しい職場探しは大変難しい状況です。一方で、薬剤師は近年のドラッグストアブームや薬剤師不足もあり、簡単に正規雇用で好待遇の転職先が見つかり勧誘も多いため、一か所に固執せず、簡単に転職してしまう方も多いようです。

転職理由:出産・子育てのため

薬剤師は女性が多い職場です。そのため、出産や子育てを機に退職し、その後復帰するわけではなく、再就職する薬剤師が多くいます。

ここでも薬剤師ならではの状況があります。

  • 国家資格なので一度退職しても再び仕事を始められる。
    出産や育児の休暇期間は、多くの会社で期間が定められています。この期間が短いと感じ、仕事復帰が煩わしく感じる女性も多いと思います。薬剤師は再就職が比較的簡単なため、子育て後に自由気ままに再就職・パートへの転身を考える方が多く、退職してしまう女性薬剤師が多いようです。
  • パートやアルバイト薬剤師の雇用条件が恵まれている
    薬剤師の場合、パートやアルバイトであっても十分な時給が支払われる場合が多く、出産後に正規雇用で働くよりも、パートタイマーとして働くことを選択する女性が多いようです。

報奨金はとてもありがたい

転職会社によっては、転職が決まると報奨金をもらえる会社もあり、転職者としては大変おいしい思いができます。

転職の際には、引っ越しが必要であったり、職場の移動に伴い何かと出費が重なるもの。

さらに前の勤務先からの給与が支払われなかったり、ちょうど新たな勤務先からの給与との間が空いてしまうような場合もあり、転職会社から支払われる報奨金は、実はとっても有り難い存在です。

もちろん、報奨金に目がくらんで転職先を選んだがために、「転職に失敗した」「待遇の悪い薬局だった」といったことがあっては本末転倒ですので、転職の際のせっかくの報奨金ではありますが、転職の際の参考程度に考えるのがよいと思います。

その報奨金は本当に転職会社から支払われていますか?

いざ、転職を決めようと思ったとき、転職会社の方から甘い誘惑を受けることがあります。

「こちらの薬局に転職されると、報奨金20万円が頂けますよ!」

「こちらのドラッグストアは、今キャンペーン中で報奨金が貰えますよ」

思わず心が揺らいでしまいそうですが、ちょっと待って下さい。

なぜその薬局に転職した場合だけ報奨金が貰えるのでしょうか?

よくよく確認するとお給料が安かったり、待遇が悪かったりしませんか?

転職前の書面だけでは、入ってからのことは中々わからないものですから、実際にはとても景気がよくて報奨金を出してでも早く人材がほしいだけの優良な会社なのかもしれません。

しかし事実として、その報奨金はその薬局から捻出される費用で賄われるものであり、入社後はあなたがその報奨金を賄う(負担する)側に回るということです。

安易に報奨金につられるぐらいなら、むしろ報奨金の無い薬局を選択して、給与や待遇面のよいところ探したほうが良いかもしれません。

報奨金の貰える転職サイト・転職会社

転職先から支払われる報奨金に関しては、上記のような注意が必要であることがわかりました。

一方で、転職先にかかわらず、転職が成立すると報奨金の貰える転職サイトや転職会社がありますが、ことらはどうでしょうか?

この場合の報奨金は、転職先からではなく、転職会社から支払われます。

もちろん、もともとの原資は転職先の薬局からの資金になりますが、転職会社が一律に支払う報奨金であるため、個別の薬局・ドラッグストアに対しての情報に偏ることのない、より健全な転職会社・転職サイトである証拠とも言えると思います。

近年の薬剤師不足から、薬剤師向けの多くの転職会社では報奨金制度を導入していますので、転職成立時の報奨金があるから、怪しい転職会社というわけではありません。

一方でやはり、特定の薬局に転職した場合の特別な報奨金は、転職者だけでなく転職会社にも同様のバックマージンが発生するなどしています。つまり、転職会社に優先的に自社を宣伝してもらうための個別報奨金です。

この薬局に転職すれば、「特別に報奨金がもらえますよ」「とてもよい薬局ですよ」「待遇がよいですよ」などなど、特定の薬局の売り文句の一つに「特別報奨金」が存在するのであって、転職会社には特別にお勧めしたい裏の理由があると考えられますので、注意が必要です。

転職サイトの報奨金は?

”薬剤師転職サイト”に関しては、まず自社の転職サイトへのアクセスを増やす目的で、報奨金制度をキャッチコピーとして利用する広告が大変多くみられます。

転職サイトを利用することで、採用活動の効率化とコストダウンが可能なため、多くの薬局が転職サイトを利用し、コストダウンした分を報奨金として使うことが出来ます。

多くのサイトでは、その転職サイトを通じた転職成立のすべてを対象としていますから、特定の薬局を強く推薦したりすることは少なく、条件や要望に沿った薬局を公平に推薦してくれるサイトが多いでしょう。

また、同じ薬局であってもサイトごと報奨金が異なる場合があります。せっかくの転職報奨金ですので、より高額ないサイトを選んで契約しましょう。

まとめ 転職時の報奨金について

  • 報奨金はもらえるならもらいたい!
  • 転職担当者の誘惑「こちらの薬局に転職すると特別に報奨金が貰えますよ」は、参考程度に!
  • 特別報奨金をもらうくらいなら、給与や待遇の向上を要求しよう。
  • 特別報奨金ではなく、どの薬局への転職でももらえる報奨金を出す転職会社がより健全。
  • 転職サイトの報奨金は、積極的にもらうべし。
  • 同じ転職先でも転職サイトによって報奨金が異なる場合があるため、高いサイトを選ぶべし!